温かい煮物や鍋物が美味しい季節です。大きな鍋でコトコト。何作ってるのかな?と蓋を開けると……なぁーんだ、とガッカリされるかもしれません。うちの台所では時々「食べ物でないもの」を鍋で煮込むことがあるんです。何だと思います?
―――正解は、油汚れの付いた衣類です。職業柄、どうしても油が衣類に付いてしまいます。様々な汚れ落としの方法を試しましたが、汚れが落ちなかったり生地が傷んでしまったりで、なかなか納得のいく方法に辿り着けずにいました。そんなある日、夫が昔暮しの手帖で見たという「煮洗い」を台所で試していました。大きな鍋にアルカリ性の洗剤と粉末の酸素系漂白剤(過酸化ナトリウム)を入れて、衣類をある程度煮立たせたら冷めるまで放置。冷めたらいつも通り洗濯機で洗うという方法です。完璧に落ちるというわけではありませんが、かなりの汚れが落ちるようです。ちょっと面倒だけど、何回かに1回ならズボラな私にも出来そう、と始めたのがこの煮洗い。最初はそこまで効果あるか?という実感だったのですが、どうやら私のやり方が良くなかったようです。グツグツ煮るのはNG。生地が傷むし、汚れが落ちるためには50度ぐらいで効果を発揮するのだそうです。もう少し実験が必要ですが、このまま続けてみようと思います。
今は、自分が家庭で発生させている環境への負荷を出来るだけ減らしていくのが目標です。そのひとつ「漂白」においても、塩素系漂白剤より上記で使用する「酸素系漂白剤」の方が環境負荷が少ない。また、蛍光増白剤の含まれるものは確かに驚きの白さを取り戻しますが、汚れをきれいにするのではなく染料で黄色味を白く見せているという点に私はちょっと抵抗があります。粉状の「酸素系漂白剤」(過酸化ナトリウム)なら、色柄ものにも使えるし、食器の汚れ、黒カビ、洗濯槽の汚れなどにも使えます。というわけで、環境負荷の少なさ、汚れ落としに一定の効果ありという観点から今のところ我が家のベスト漂白剤は粉末タイプの「酸素系漂白剤」。但し注意点もいくつか。毛や絹などのアルカリ性に弱い繊維や高温に弱い化学繊維、色落ちしやすい繊維には使えません。また、鍋はアルミだと黒く変色するため、ステンレスかホーローを使用します。ご興味のある方は、まずは処分するつもりでいる衣類などで試してはいかがでしょうか?次は「セスキ炭酸ソーダ」での洗濯・掃除も実験してみたいところです。
【追記】酸素系漂白剤には、粉末タイプ(弱アルカリ性)と液体タイプ(弱酸性)があり、油汚れ(酸性)を分解しやすいのが粉末タイプ。つまり液体タイプより洗浄力が強い。但し、ウールや絹などの動物性繊維はアルカリ性に弱いので粉末タイプには使えないので、そんな時は液体タイプを使っています。粉末タイプには界面活性剤の含まれない商品もあり(成分が過酸化ナトリウムのみ)、我が家ではシャボン玉の酸素系漂白剤を使用しています。
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