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娘とわたしの1ヶ月物語


写真で綴る、むすめ涙の保育所スタートとかあさんの入院、1ヶ月の物語。



むすめが拾ってきた松ぼっくり。

「あのねこれね、とうさん、かあさん、わたし、あかちゃん、なの。」

家族みんなが赤ちゃんの誕生を楽しみにしていた。




そんなある日、”かあさんはしごとしない。やすむ。”の紙が貼り出される。

妊娠8ヶ月、自宅安静となってしまったからである。

むむぅ、まずい。このまま無理をすれば入院という事態にもなり兼ねない。

我が家の暮らしを考えると入院などしてられない。

















春4月。3歳11か月のむすめ、保育所に通い始めるも毎日しくしく泣いている。

そんなむすめの姿に親の私たちも胸が痛む。励まし、見守り、信じて。





普段遠慮がちではっきり物を言わない節のあるむすめだが、さすがの彼女も「ほいくしょ、ひとりでダイジョブかなぁ…」が次第に「行きたくない!」という強い物言いに変わっていった。そんな中、私はまさかの入院という事態になり…。



こんな時にそばで支えてやれないなんて。




むすめと夫の二人暮らしが始まった。






私のほうは病室で24時間点滴暮らし。私がむすめにできることはないかと考えた。

文字を読めるようになったむすめに毎日手紙を書き、看護師さんに投函してもらうことにした。
















むすめは自分の保育所通いが大変なのにも関わらず、毎日かあさんとお腹の赤ちゃんにパワーを送ってくれた。




ある日の面会で、むすめが保育所でつくったというお守りをもらう。

胸がズキューーンとした。

モノから滲み出る温かさや優しさ。

そしてモノに宿る芯のある何か。それは、「それだけです」というような。

新聞紙を丸めただけのこの小さな物体に、不思議と美しささえも感じた。

これをつくる健気なむすめの姿がありありと想像できた。

本当に素敵なものをありがとう。大切にする。





入院してから2週間半。今日は待ちに待った退院予定日。

むすめの誕生日でもある。絶対に帰りたい。



しかし点滴を外してみたら、軽い陣痛のようなものが…。



このまま入院してお産まで待つという選択肢もあったが、一度家に帰ることにした。

だって「今日はうれしい日!」むすめが朝起きて一番にそう言ったんだそうだ。

陣痛が強くなったらまた病院に戻ればいい。1時間でもむすめと一緒に過ごしたい。




「おかえりー!!!」



布団に横になりながら、むすめの誕生日を祝う。

「ちがうよ、きょうはかあさんとわたしの誕生日パーティだよ。」

そうだ。入院した日、私誕生日だったんだわ…。


むすめの嬉しそうな顔。ああ、帰れてよかった。




かあさんがいない間、よくがんばったね。


オモチャや手作りケーキは準備できなかったけれど、病室には紙と鉛筆ならあったから、かあさんからの贈り物はこんなんだけど、4歳おめでとう。








翌日、本格的な陣痛がやってきた。病院へ戻る。

ほんの半日だったけれど、お腹の子がおねえちゃんに大切な時間をくれたよう。

きっといい姉弟になるよ。



むすめのお守りを握りしめ、無事出産。元気な男の子。おねえちゃんと1日違いの誕生日。

君はいいおねえちゃんのところに生まれたよ。




あかちゃん、むすめ、だんなさん、おじいちゃんおばあちゃんたち、

ありがとう。



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妊娠中、励まし支えてくださった皆様

出産後、お祝いのお言葉をくださった皆様


無事、元気な赤ちゃんが生まれました。

直接ご挨拶できず大変恐縮ですが、この場をお借りして、ありがとうございます。

またいづれお会いできます日を赤ちゃんと一緒に楽しみにしております。


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