top of page

第6回親子イベントを終えて


2019年11月19日、第6回かあさん部親子イベント「新米で!ごはんと味噌汁の会」を開催しました。


ニッポン人の主食であるごはん。いや私だって、パンも麺も好きですよ?でもやっぱり、ごはん。毎日毎食食べても飽きないごはん。他のどんな食べ物も毎食食べれば飽きてしまうのに、どうしてごはんは大丈夫なのだろう?不思議ですよね。大昔からニッポン人が食べ続けてきて、体が馴染んでるというか、もう、合ってるとしか考えようがない。


そんなごはんというものを、どういう形で食べるのが一番いいかと考えたとき、おむすびもよかったけど、新米なら具も無しで、白いピカピカの炊きたてを茶碗でモリモリ食べたいと思い至った。そこには自然と味噌汁の絵が浮かんだ。ごはんと味噌汁。シンプルにして最高だな、と。それで色々掘っていくと「一汁一菜」という考え方に辿り着いたのです。


そうしているうちにひとつの本に出逢いました。土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』という本です。これを読んだら、最近、食について考えていたことが一気につながって腑に落ちた。特に私の場合、先日乳腺炎をやって和食に立ち返っていたところだったので尚更身にしみた。お勧めの本です。気になる方はこちらをご参考に。食、を越えて、なんだか子育て、生き方にも通じる気がします。最後、少しだけおかゆに触れてるところがまたにくい。おかゆ…相手を想いやって作る料理の極み、これ以上引き算のできないもの、と私は思っている。


レストランで食べるような輝やかしい食事は舌も心も満たされるけれどそれって一瞬のことで、脳ではなく体が喜ぶおいしさって実は素朴なもの、じんわり芯まで温まるような、かあさんの味。なにも食育!と言って特別なことをこどもに教えなくても、毎日毎日の食事あるいはその支度そのものが既に大切な学び、時間、喜びであり、何より丈夫なからだをつくっている。普通のご飯でいい。普通のご飯がいい。

そんなことを今回のイベントで伝えられたらなぁ、こどもたちのごはんを頬張る顔を見たいなぁという思いで、ご協力いただいたのが岩手県北上市のお米農家SATO RICE FARMさん 。ご家族でお米をつくっておられまして、3歳の男の子のお父さんお母さんでもあり、抜群のセンスと幅広い視野、素敵に子育てされてる様子は本当に羨ましい。佐藤さんも親子で参加してくださって色々とお話も伺えました。そして皆で戴いた農薬不使用・化学肥料不使用のお米!ほんっとーに美味しかった~。。。ご馳走様でした!

ちなみに味噌汁は2019年2月の親子イベントで作った味噌を使い、季節の茹で野菜・蒸し野菜を入れて具沢山に。奥州市・安部さんの卵で作った塩味の卵焼きも添えて。漬け物は夫のお母さんから教わった牛乳の大根漬け。


どんな方法ならお米を美味しく炊けるか。イベントに向けてお米の炊き方についてあれこれ試作を重ねましたが、行きついた回答は、コレ!というものではなかったです。旨い・旨くないというより、むしろ「どんな鍋でも炊ける」というお米のシンプルさ、身近さというか。高価な炊飯器のすごみはあるけれど、雪平鍋でも充分美味しく炊けました。極論、炊飯器や鍋が無くてもその辺に生えてる竹でも炊けるし、みたいな。そして試作していくうちに気付くのですが、必ずしもおいしいお米=甘いお米、というわけでもないか、ということ。そもそも作ってくれた人の顔とそれまでお米にかけてきた時間をちゃんと思えば、既においしいんですよね。例えば、実家の両親が、じーちゃんばーちゃんが、田舎からお米を送ってくれる。夏の暑い日に草刈りやら水の管理やら毎日やってくれたんだろな、今年は手伝いに帰れなかったな、来年は肥料撒きでも一緒にやろう、とか思いながらご飯を炊くんですよ。食べたらいつもの実家のお米の味なんですよ。そういうの含めたおいしさというものもありますね。


さて、今回の親子イベントでも絵本やクイズを交えながら、お米やお米まわりのこと、こどもたちと一緒にたくさん知りました。こどもたちにはお米研ぎを手伝ってもらいました。小さな手でやさしく研いでくれた。お米はたいせつなもの、と分かってるような手つき。お茶碗あみだくじや、100回噛むぞゲームもやったしね。(SATO RICE FARMの奥様がfacebookでご紹介くださいましたリンク)。毎日食べているはずなのに案外知らないことが多いんですね。1粒のお米からまた新しい芽が出るなんてことも、そうか、と思わされます。稲、土、水、太陽、人の手…たくさんの力がお米をつくり出している。改めてお米が作られるためのすべてのもの、営みに感謝の気持ちです。田んぼのある風景、50年後も変わらずあるでしょうか。代掻きした田んぼに空が映ってる様子や、蛙の鳴き声、稲穂に止まる赤トンボ、冬に氷が張った田んぼをバリバリ踏んだり、新米を初めて食べる時のどきどき…、そんな風景が孫やその次の時代にも残っているだろうか。そんなことを想いながら今日もお米を炊きます。


2020年のかあさん部親子イベントは、0歳育児中につき、ゆるめのペースで活動していく予定です。季節ごとに1回できたらいいかなぐらいです。詳細が決まりましたらホームページでご案内します。今年もどうぞ宜しくお願いします。


bottom of page