娘が生まれて変わったことの一つに「食べものへの意識」があります。お米や野菜を作っている農家で育ったし、大人になっても出来合いのお惣菜を買うことなどはなく、外食もあまりしない方で、出来るだけ手作りの食事をしてきた私は「ゆうてもそんなに悪いものは食べてないだろう」と思っていました。ところが、夫が昔読んでいた食品添加物に関する本を読んでみると、普段普通に食べてきた食品にも実は添加物が入っていることが分かり、かなりショックを受けました。分かったつもりでいたけど、全然分かってなかった!それまでも夫との会話の中で話してきたはずでしたが、子どもが生まれたことで意識が変わったのか、耳に入った情報がふわふわ漂わずに腹の中にずしんと来るようになったのです。この時が私のギアチェンジの瞬間だったと思います。生まれてきた娘に、健康な体をつくるための食生活を贈ろう。これはかあさんからの「ギフト」だ。
それからというもの、より安心できる食生活を心掛けるようになりました。私なりの気付きは、イメージ的に大丈夫そうと思うものでも実は添加物が入っていること、パッケージに良さげな言葉が書かれていても成分表示であら残念と思う食品もあること、訳の分からない名前の成分も実は立派な添加物だということ、自分で作れば添加物を減らせるということです。
と言っても、変えたのは以下のことぐらいです。
・まず調味料を変えました(醤油、みりん、砂糖、油、酢、塩など)
・手作りできる調味料は出来るだけ手作りします(味噌、マヨネーズ、ドレッシング、つゆ、カレールウなど)
・同じ食品でも成分表示を比べて添加物の少ないものを選びます
・出来るだけ近郊で作られたもの、無農薬のものを意識して買うようにしています
・ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉の代わりに生のお肉を工夫して調理します
・昆布と削り節で出汁をとって、冷蔵庫に常備するようにしました
・やや薄味、油控えめを意識しています
お菓子も手作りしたいと思っていましたが、なかなか難しいのが現状です。娘と一緒に作ることもありますが、ほとんどは市販品。でもそこは無理をせず。買い物をするのだって、子どもと一緒だとじっくり吟味ができないこともあります。でも、我が家の定番を決めてしまうと楽です。うちでは無添加食品を新しく発見することを趣味的に楽しんでいる感覚です。こうやって食べていると、単純に無添加のものは美味しいと感じます。かつては美味しいと思って食べていた食品が、今では食べた瞬間「ん、何か違う」と思うのももしかすると食への意識を変えてからかもしれません。
けれど、ストイックになりすぎないことも心掛けています。「食べることの楽しさ」、「みんなで食卓を囲む楽しさ」も大事だと思うからです。例えば、子どもの行事でみんなでおやつを食べましょうとなって、ご用意して下さったものが添加物入りのものでも、そこではみんなでわいわい食べるということを大事にしたい。おじいちゃんおばあちゃんと外食に行く時も、どんな店かどんな料理かということより、みんなで食べるとおいしいね、ということの方を大事にしたいと思うのです。娘が食べたいと言えば、しっかり添加物の入っている食品だって時々は買います。
もっと川上を見つめれば、より意識が高くなるとは思います。最近では砂糖や乳製品などへの考え方も多様ですし、お肉ならどういう環境下で育てられたかに配慮することも。でも、こういう方法で作られたこれは良くない、こういう環境で育てたあれは良くないと否定ばかりしたくもありません。どんなものにも、その方法を取って作られた「背景」というものがあるんだと思います。訳があって添加物を入れている。訳があって農薬や肥料を使わざるを得ない。その背景を知った上で自分たちなりの条件で選べれば一番いいのではないかなと思います。夫と娘が気づかせてくれた、食べものへの意識。これからも私なりの楽しい食生活を探っていきたいです。
かあさん部の活動でお出しする素朴なおやつも、このような思いから手作りしています。試作する中で、固すぎて失敗、膨らまず失敗、味がもうひとつで失敗…娘に「失敗は成功のもと!」と言われながら(笑)、これはいい!というものに辿り着けると嬉しくなります。
かあさん部の活動は引き続きしばらくお休みを頂くことになりそうですが、再開の目処が立ちましたらご案内いたします。せっかくSATOという場所でやるのだから、食に関するワークショップもいいなぁなんて思っています。
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